夜間にトイレに行くことが多いけど(夜間頻尿)、病気なの?
「いつもより夜間のトイレ回数が増えてしまった。熟睡できない…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
夜間頻尿になると熟睡できないことで日中の体調に影響が出たり、昼夜逆転したりと不調になる方も多いでしょう。そのまま夜間頻尿が続くと生活の質を下げ慢性的な不調がつづくことになります。
また夜間頻尿の場合、ほかにも病気が潜んでいる可能性もあるため注意が必要です。
なぜ夜間頻尿になってっしまうのか、原因が分かれば改善できるはずです。
そこで今回は夜間頻尿の詳細についてご紹介します。
夜間頻尿とは
国際尿禁制学会によると、夜間頻尿とは「排尿のため夜間に1回でも起きること」をいい、これが夜間頻尿かどうかの判断基準となります。とはいえ寝る時間が早い場合、自然と尿量は増えるので、夜間トイレに行く方もいるはずです。
回数が少ない場合は本人や介護者が気にしていないことも多いです。夜間トイレに行くからといって必ずしも受診が必要だということはありません。通常は2回未満であれば正常範囲内とみなされます。少ない方は様子をみて、気になる場合のみ受診してみるといいでしょう。
夜間の尿回数が2回以上の方は治療対象となることが多いので受診することをおすすめします。
夜間頻尿の原因とは
夜間頻尿の原因は加齢による排尿コントロールの低下のほかに、膀胱畜尿障害、多尿、夜間多尿、内科の病気(高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群など)、精神科の病気(睡眠障害)などがあります。もちろん、ほかにもさまざまな原因が重なり合うこともありますが、大抵は以上の原因に当てはまります。
夜間頻尿の原因を明確にするためには排尿日誌をつけることです。排尿日誌で夜間のおおよその排尿間隔や排尿量を確認できます。昼間と夜間を比べれば、どのような周期性があるのか、なぜ排尿回数が多くなったのかを把握しやすくなります。
例えば膀胱、下部尿路、前立腺、内科系に異常があれば夜間だけでなく昼間も回数が多くなります。
一方、生活習慣が原因の場合は水分の過剰摂取などで一時的に多尿になる場合が多いです。
多尿、夜間多尿の定義は下記です。
- 1体重kg×40ml日以上
- 夜間尿量/0.33(昼間の尿量の割合)以上
- 若年の場合は 夜間尿量/0.20以上
尿量を知るためにも排尿日誌は重要です。排尿日誌をつければ、それをベースに診断、治療してもらえます。
夜間頻尿は泌尿器だけが原因ではありません。その原因によっては内科や精神科での治療が必要となります。
なかには生活習慣で治るものもあるのでその場合は医師に相談しましょう。
夜間頻尿の治療とは
夜間頻尿の原因が膀胱や前立腺の機能の異常、形態の変化であれば泌尿器科での治療が必要です。病気によっては改善が難しいものもありますが、内服すれば症状は軽減するでしょう。
内科や精神科が原因である場合も基本的に内服治療となります。正しい治療を受けるには原因を明確にしていくことが大事です。
内科は内臓に異常があるケースも多いですが、精神科(睡眠障害)の場合は内臓に異常がないこともあります。
睡眠障害の場合、睡眠時に分泌されるべきホルモンが足りていない可能性があります。
通常、眠ると抗利尿ホルモンが分泌されますが、睡眠に障害がある方は分泌量が足りません。そのため睡眠時の尿量をコントロールできなくなり夜間頻尿におちいる方もいます。
睡眠障害の場合は熟睡さえできるようになれば抗利尿ホルモンの分泌量も増え、自然と排尿回数は減っていくはずです。
また足のむくみが目立つ方の場合、水分のめぐりが悪く、それが原因で夜間頻尿になる方も多いです。昼間は重力により足に水分がたまっていますが夜間、寝ることでその水分が腎臓に戻ってきます。そのせいで夜間の尿量が増えてしまうのです。
足のむくみを解消するためには昼間に足を上げたり運動をしたりするとが大事です。ただし病気が原因となるむくみの場合は内服治療が必要となります。
夜間頻尿は原因によって治療法も異なります。生活習慣を変えても改善しない場合は既存の病気をベースに治療していきましょう。
まとめ
夜間頻尿は原因によってアプローチが異なります。まずは自分の原因をはっきりっさせることが大事です。そのためには排尿日誌をつけるのがおすすめ。排尿日誌をつければ自分の排尿量や排尿回数が把握できるので正しい診断がつきやすくなります。
夜間頻尿に悩む方は慢性的な体調不良におちいりがち。
「夜間頻尿で熟睡できない」「日中起きているのがつらい」という方はぜひ実践してみてください。原因さえ解消できれば正しい治療が受けられるはずです。